■海洋散骨を望む人はどんな人なのか
昔は、人が亡くなるとお墓に入ることが当たり前でした。
しかし、お墓を継承することに負担を感じる人が多くなり、お墓を持たない、お墓に入らないという供養の仕方を選択するケースが増えてきました。
墓石を墓標としない供養として、樹木葬があります。これは、墓標が樹木になりますが、墓標もなく自然に還りたいと願う人がいます。
そのような人が関心を持つのは海洋散骨です。
海洋散骨を選ぶ人は、生まれ育った地に海が近い場合や海と関わる趣味や仕事をしていた場合が多く、海を愛していた人たちです。
九州は海に囲まれているため特に海に馴染みのある地域になっています。
福岡のような都市でも、すぐそばに海があり身近に感じられます。
九州のような地域に住んでいれば、亡くなった後は大自然の中で眠り、自然に還りたいと願うことでしょう。
そう考えると海洋散骨に決めてしまう理由がわかります。
海洋散骨は、有名人が希望し実際に行っていたり、映画のワンシーンで登場したりと、明るいイメージがあります。
しかし切実な悩みを持つ人もいるのです。
それは経済的な理由で選ぶ人です。
お墓を建てるには多額の費用がかかります。
建てた後も維持や管理が必要となり、継承した子どもに負担がかかってしまうのです。
もし、子どもがいない場合は無縁墓になってしまうおそれがあります。
このような心配がある人にとって、海洋散骨は理想的な供養の仕方でしょう。
■海洋散骨とは何か
海洋散骨とは、簡単にいうと遺灰や遺骨を海に撒く葬送方法です。
墓地以外の埋葬は違法なので、海に散骨するのは問題があるのではないかと不安に感じます。
しかし、個人が節度をもっと行う散骨であれば、違法ではありません。
海洋散骨は、砂場や岩場から散骨する沿岸散骨と船やセスナ機に乗って海上に散骨する海上散骨があります。
■海洋散骨を行うには
海洋散骨を行うには決められたルールがあります。
それは遺骨はそのままの状態で散骨せず、必ず2mm以下の粉末にしてから散骨することです。 散骨をするときには配慮が大切です。
近隣住民や漁業関係者の感情も考慮する必要があります。
たとえば、散骨した場所の近くに海産物の養殖場があれば風評被害などの悪影響を及ぼす可能性があります。
ほとんどの場合、散骨するために許可証や自治体の手続きや届け出などは必要ないのですが、このようなことから、地域によっては条例を設けて規制していることもあるので、確認する必要があるのです。
このようなことに気を付ければ、個人で海洋散骨を行うことは可能ですが、大切なセレモニーでもあるので、業者に依頼するほうが無難でしょう。
迷惑をかけないような場所の選定や船の手配など大変です。
トラブルを回避するためにも、専門業者に依頼するほうが安心できます。
■専門業者の選び方
海洋散骨を希望する人が増えていることから、各地に専門とする業者があります。
後悔しないためにも、各業者のサービス内容や料金が相場と比較して確認することです。
そのためにも数社からの相見積もりを取ることも大切です。
一家族が船をチャーターして海洋散骨をする方法以外にも、専門業者に遺骨を預けて家族の代わりに散骨をしてくれる代行散骨や複数の遺族が船をチャーターし同乗して散骨する合同散骨などがあります。
遺族としては故人の希望に添った供養を行いたいものです。
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